琉球ガラス（りゅうきゅう?）とは沖縄県の沖縄本島を中心に生産されるガラス工芸品のこと。「沖縄ガラス」、琉球硝子と表記されることもある。

沖縄地方にはアジアとの貿易を通じて、日本のなかでも比較的早くガラス製品がもたらされていたと考えられている。その製造は明治時代の中期には始まっていたとされる。この項で述べる「琉球ガラス」は戦後1940年代の資源難から米軍基地から捨てられたコーラやビールの空き瓶を溶かして再生したことから始まる。 雑多な瓶を溶かして再生したことから、厚手の赤色や緑色などの多彩な色合いとなり、再生の過程で混入してしまう気泡と相まって独特の味わいをもつガラス製品となった。

冷蔵庫の普及と共に沖縄で良く飲まれる泡盛をロックで飲む機会も多くなり、旧来の酒器であるカラカラから、広口の琉球ガラスのコップを使うようになった。 このことが、沖縄が観光地化するにつれ観光客の目にとまり、その手作り感と泡盛とあう涼しげな器ということで人気が出た。

現在は、いわゆる沖縄ブームもあって、各メーカー・工房も増え、それぞれが腕を競い合い、廃瓶だけではなく新規にガラスの溶解から始めるなど、新たな材料や手法なども取り入れ表現方法も作品からギフト向けまで多彩に発展しつつある。また、琉球ガラスの職人が「現代の名工」に選出されるなど、沖縄の伝統工芸や地域ブランドとしても認識を広めている。

他方あるメーカーは、沖縄での生産キャパシティーやコスト面を理由にベトナムに現地法人を設立、現地採用した職人を指導･育成しながら生産していたベトナム産の品を、沖縄で生産された琉球ガラスと混同される表現を用いていて販売していたとして、公正取引委員会に原産国表示の不当表示として指摘され景品表示法にもとづく排除命令を受けることとなった。 さらに、模倣品を海外の製造業者に発注し、これをあたかも琉球ガラスのように輸入販売する業者もあらわれ問題化している。 これらの品ついては、琉球ガラスを地域の産品ではなく製法として広義に解釈している傾向が見られる。 フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』記載から